リチウム電池の火災リスク 米沿岸警備隊が警告

米国沿岸警備隊(USCG)は先週、リチウムイオンバッテリーが塩水にさらされると電気自動車(EV)の火災リスクが大きくなるとして、船社、港湾、荷主に対し同リスクを認識し、損傷したリチウムイオンを搭載したEVを商船に積み込むことを避けるよう警告した。

 昨年9月のハリケーンイアンの被害で多数のEV火災が発生、原因がリチウムイオンバッテリーの塩水浸水と判明したことから警告したもので、USCGは船舶、港湾、荷主、規制当局に対し、危険物規制(49CFR)・IMDGコードの車両輸送要件の包括的見直し、米連邦パイプライン・危険物安全管理局(PHMSA)のリチウムバッテリーガイドの順守、損傷したリチウムイオンバッテリーの輸送に関する梱包要件の見直しのほか、損傷したリチウムイオンバッテリーの船積み、港湾での蔵置、コンテナ詰めをしないことなどを推奨した。
 USCGは昨年3月、不適切に破棄されたリチウムイオンバッテリーがコンテナ内でバージニア港へ向かう途中で発火し、B/L上に「コンピューター部品」と誤申告されていた件についても安全警告を発している。